育児に頑張るすべての人へ「出張保育」のススメ
2022年9月、中京区は朱雀公園の近くで「はぐはぐ二条」さんがオープンしました。託児施設から出張保育、近年話題の産前産後ケアまで、育児で大変な保護者を手厚くサポートする保育の総合サービス。筆者も一人の母として興味津々!その全貌を知りたいと、早速取材に行ってみました!
ベテラン保育士が行う良質な保育サービス
サービス内容は主に「出張保育」「産前産後ケア」「一時保育」の3つ。事前登録は不要ですがすべて予約制となっています。出張保育、一時保育は生後3ヶ月から、産前産後ケアは妊娠中から利用が可能です。1時間から気軽に利用ができるので、「ゆっくりお風呂に入りたい」「買い物がしたい」などといったときにも利用ができます。
代表の波多野さんはじめ、保育に携わるのは元保育士ばかり。しかも10~20年以上のキャリアを持つベテラン揃いです。年齢や個性に合わせた遊びをしてくれるだけでなく、児童発達支援員と連携していることから発育のサポートもしてもらえます。「うちの子大丈夫かな?」と発達が心配になったときでも安心ですね。子育て中の保育士も多く、育児のみならず、保育園事情や仕事との両立など幅広い悩みにも対応してくれます。
野菜たっぷりお弁当+愛情たっぷりの産前産後ケアサポート
筆者が注目したのは産前産後ケア。なんと保育士による「お弁当配達」を行っているのです。ありそうでなかったサービスに目からウロコ!朝採れ上賀茂野菜で人気の八百屋さん「西駒」と提携し、お弁当+保育士によるシッターサポートを1時間4400円で行ってくれるのです。
ありがたいのは、助産師の指導による、「産後ママの心身の状態のチェック」をしてくれること。近年「産後うつ」という言葉をよく目にするようになりましたが、産後間もないママはホルモンの影響もあり精神的にも不安定になりやすいと言われています。そのうえ、赤ちゃんが「寝ない」「飲まない」「体重が増えない」「湿疹じゃないかな」「母乳が出ない」など気になることはたくさん。お弁当を食べてリフレッシュしながら、そんなママに寄り添ってくれるのがこのサービスなのです。
慣れない育児の悩みをじっくりと相談したり、ちょっと休んだり、出かけてみたりと自由に過ごすことができます。食事の内容やケアの雰囲気を知りたい方には、1500円のお試しプランも用意されています。
周りにいる「我慢しちゃうあの人」に保育をプレゼントしてほしい
代表の波多野さんは、保育士として長く働いていました。ご自身が出産・育児を経験することで「保育者から育児の当事者」へとライフスタイルが一変。ママとして、また妻として育児・仕事・生活を両立することのリアルな大変さを知ったのだそうです。
「パパが仕事から帰ってくるまで、一言もしゃべっていないなんてこともしょっちゅうでした。利用者さんのなかにも、ギャン泣きでどうしていいかわからない、抱っこし続けないと寝ないという方がたくさん。1時間のシッターサービスで、ひとまずお風呂に浸かりたいなんて利用者さんもいらっしゃいました」。そんな経験を経たママ兼保育士が集まって、はぐはぐ二条が京都で産声を上げたのです。
波多野さんは、出張保育や産前産後ケアをパートナーからの贈り物にすることを提案してくれました。「ママって、自分が疲れていても大変でも、子どものことを考えると我慢を選択してしまう人が本当に多いという印象です。『ベビーシッターや一時保育にお金をかけるなら子どものために使おう』といって、自分が楽をすることにお金をかけないんですよね」。
パートナーや家族、会社の同僚や友人など、周りの方が育児で大変な人に、「休んでもらいたい」「リフレッシュしてもらいたい」「いつもありがとう」という気持ちを形にできたら…そんな思いで、ギフト制度を作ったのだそうです。お誕生日やクリスマスはもちろん、日常的に、疲れたママへ「時間のプレゼント」ができるといいですね!
あとがき
波多野さんはじめ保育士さんたちは、取材中ずっと楽しそうなご様子が印象的でした。同じ働く女性としてその理由を探っていると、皆さんには今頑張っている保育現場への願いがあることがわかりました。波多野さんは「日本の保育の魅力は丁寧さ。子ども一人ひとりに寄り添い、良い育ちができるように丁寧にかかわるところだと思っています。しかし一方で、社会的地位が上がらない、給与水準が低いなどの理由で、寄り添うべき現場の保育士が疲弊している部分があるのも事実。人間形成における一番大事な時期のお子さんを見る側の人がもっと明るい未来を見られるようになるといいのではないかと思いました」と語ってくれました。保育士の皆さんが会社を立ち上げたのは、保育士のキャリアとして1つのモデルを提示したいという思いも強かったのだとか。親も保育士も、もっともっと明るい表情で子どもに寄り添うことができる町へ。そんな思いが皆さんにあふれていた取材でした。
投稿者プロフィール
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大阪で生まれ育ち京都に住み着いたライター。
20年前と比べて、嗜好品が酒とコーヒーだけになったのが自慢。
女子を2名産み落としたのは十数年前のこと。
いまだに2人の寝顔で酒が飲めるのも自慢。
絶景と食、おもろい人と会社、団体を探しておもしろがるのがライフワークです。
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