新選組の聖地 中京・壬生の新選組ゆかりのスポット4選

世はまさに新選組ブーム!?
京都・壬生で結成されてから、今年(2023年)で160年を迎える新選組。このところ相次いで関連する作品が発表され、イベントが開催されているのをご存知ですか?中京区の壬生は“新選組発祥の地”といえるほど関わりが深い場所で、新選組の聖地といっても過言ではありません。そんな新選組ゆかりのスポットをご紹介します。

近年続々と登場する新選組関連作品・イベント

歴史ファン・幕末ファンのあいだで根強い人気を誇る新選組。これまでも多くの作品が作られてきましたが、特にこの数年は数多くの作品が発表され、ここ京都ではイベントが開催されるなど、ちょっとした“新選組ブーム”といえる状況が続いています。

漫画『ゴールデンカムイ』(野田サトル)

『ゴールデンカムイ』は日露戦争後の北海道を舞台に、隠されたアイヌの金塊をめぐって繰り広げられるサバイバルバトル作品。

新選組の「鬼の副長」土方歳三が箱館戦争を生き延びたという設定で、主要人物として登場。同じく元新選組隊士の永倉新八とともに蝦夷共和国の再興を目指し、主人公たちと時に争い、時に協力しながら戦いを繰り広げます。

「週刊ヤングジャンプ」で2014年から連載が開始され、2022年に完結。それを記念して「ゴールデンカムイ展」が各地で行われており、京都では2022年7月から9月にかけて京都文化博物館(京都市中京区)にて開催されました。

2018年からテレビアニメ化されており、おそらく2024年以降に最終シーズンが放送される予定。また実写映画が2023年に公開される予定となっています。

映画『燃えよ剣』(司馬遼太郎原作・原田眞人監督)

2021年10月公開。新選組副長・土方歳三の生涯を描く司馬遼太郎の代表作の一つを、原田眞人監督で映画化。主人公の土方を岡田准一が演じました。
新選組を題材にした映画やドラマは数多くありますが、おそらくもっとも土方の顔が濃い作品。

漫画『青のミブロ』(安田剛士)

2021年から「週刊少年マガジン」で連載中。幕末の京都を舞台に、ミブロ(壬生浪/新選組)に入隊した少年を通して新選組を描く作品。

2022年6月には京都でスタンプラリーが開催され、東映太秦映画村(京都市右京区)でコラボイベントが開催されました。

NHKドラマ『土方のスマホ』

2021年9月〜10月、2022年1月放送。幕末にスマホがあるという設定のドラマで、土方歳三のスマホを通じて新選組を描く異色の“幕末SF時代劇”。窪田正孝が土方歳三を、山田孝之近藤勇を演じました。

NHKドラマ『幕末相棒伝』

五十嵐貴久による歴史小説『相棒』をドラマ化。土方歳三と坂本龍馬が相棒となって「徳川慶喜暗殺未遂事件」の犯人を探る推理ドラマ。向井理が土方歳三を演じました。
2022年1月放送。

京都文化博物館「新選組展2022 —史料から辿る足跡」

2022年7月〜9月まで福島県立博物館で開催されたのに続き、10月〜11月まで京都文化博物館(京都市中京区)で開催された展覧会。最新の歴史研究の知見を加味し、これまでの新選組像とは異なる姿を明らかにしました。
また、土方歳三の愛刀「和泉守兼定」が展示され、刀剣好きの間で話題となりました。

そして今年(2023年)がちょうど1863年(文久3年)に新選組が結成されてから160周年となるのを記念して、京都では7月から「新選組結成160年&世界遺産」と題した通常非公開の文化財特別公開が開催されています。

説明しよう!新選組とは

さっそく新選組ゆかりのスポットを紹介、といきたいところですが、

「新選組ってなんなん?」
「京都とどんな関係があるん?」
「新選組って幕府側なん?尊皇攘夷側なん?」

という方もいることでしょう(ちなみに上に挙げたのは、過去に筆者が京都人の知人から実際に受けた質問です)。というわけで、まずは新選組についてご説明しましょう。

新選組(または新撰組)は、幕末(江戸時代末期)の浪人による武力組織。局長・近藤勇、鬼の副長・土方歳三、天才剣士・沖田総司など、多士済々の剣豪たちが所属していました。

幕末、京都には尊皇攘夷派の志士が多く集まり、治安が悪化していました。
江戸幕府は庄内藩士・清河八郎の献策により、浪人を集めた「浪士組」を結成。集まった浪士組約200名は、14代将軍・徳川家茂が京都に上洛する際の警護のために京都に上がります。

幕府のために働くつもりで京都に到着した浪士組ですが、実はリーダーの清河八郎にはある企てがありました。
本来、清河は尊皇攘夷派であり、幕府に結成させた浪士組を尊皇攘夷のために利用しようと画策していたのです。

これに驚いた幕府は、この企てを阻止するため、浪士組を江戸に戻そうとします。
その結果、浪士組は素直に江戸に戻るメンバーと、京都に残留して将軍を警護すると主張するメンバーとに分裂しました。
このとき江戸に戻ったメンバーは「新徴組」を結成。京都に残留したメンバーは「壬生浪士組」を結成し、京都の治安維持にあたることになります。
この壬生浪士組がのちに新選組となったのです。

中京区の新選組スポット4選

京都で誕生し、幕末を駆け抜けた新選組。京都には数多くの新選組ゆかりの地がありますが、中でも中京区・壬生には関係の深いスポットが存在します。

壬生寺

壬生寺は律宗の大本山。新選組が境内を兵法訓練所として大砲や武芸の調練に使用していたことから、新選組ゆかりの寺としてよく知られる寺院です。

そのため、沖田総司が境内で子供と遊んだとか、隊士が壬生狂言を観賞したとか、新選組が相撲興行を行い、寺の池の魚やすっぽんを料理して力士に振る舞ったといった逸話が残ります。

境内にある池の中の島は「壬生塚」と呼ばれ、新選組の墓所として隊士11名が祀られており、近藤勇の胸像と遺髪塔が建立されています。
また、阿弥陀堂地階では、旧塔頭の諸仏のほかに新選組や壬生狂言に関する資料が展示されています。

近藤勇の胸像

壬生寺
京都市中京区壬生梛ノ宮町31
https://www.mibudera.com/

八木家(壬生屯所旧跡)

八木家は壬生の郷士。越前の戦国大名で織田信長に滅ぼされた朝倉家の子孫にあたります。

邸宅が浪士組の屯所として使われ、のちに新選組の中心メンバーとなる近藤勇のグループと芹澤鴨のグループが宿所としていました。そのため、“新選組発祥の地”とされています。

八木家は新選組の筆頭局長となった芹沢鴨とそのグループが暗殺された場であり、その際の刀傷の一部が今も残っています。
また、歴史的建造物として京都市指定有形文化財に指定されています。

現在も八木家の子孫が継承しており、和菓子店「京都鶴屋 鶴壽庵」を併設。内部を見学する際は、こちらの鶴壽庵で申し込みます(ガイドによる解説と抹茶・屯所餅つき)。

京都鶴屋 鶴壽庵

八木家(壬生屯所旧跡)
京都市中京区壬生梛ノ宮町24
https://www.mibu-yagike.jp/

旧前川邸

旧前川邸は、八木家と同じく新選組の屯所となりました。
新選組の名を挙げた「池田屋事件」のきっかけとなった土方歳三による古高俊太郎への拷問は、旧前川邸の東の蔵で行われました。
また、新選組の副長、総長を務めた山南敬助が切腹した場でもあります。

現在は個人宅となっているため、内部の公開はされていません。
土・日・祝日のみ、玄関において旧前川邸オリジナルグッズと新選組グッズの販売が行われています。

旧前川邸
京都市中京区壬生賀陽御所町49
https://kyu-maekawatei.com/

新徳寺

新徳寺は江戸時代に創建された臨済宗永源寺派の寺院です。

江戸から京都に上洛した浪士組(新選組の前身)は新徳寺に集められ、リーダーである清河八郎が尊皇攘夷の演説を行います。
浪士組のメンバーは自分たちは幕府のために集められたと思っていたわけですが、この時初めて清河が自分たちを尊皇攘夷のために使おうとしていることを知ります。
これに反発した芹沢鴨、近藤勇、土方歳三らは江戸に戻る清河らと決別。京都に残って結成したのが「壬生浪士組」、のちの「新選組」です。

新選組を描いた作品においてこの清河が演説するシーンはよく登場し、京都における新選組の最初の舞台として知られています。

通常は非公開ですが、文化財特別公開の際などに公開されています。

新徳寺
京都市中京区壬生賀陽御所町48

壬生寺では、2023年に新選組結成から160年となるのを記念して、壬生塚にあらたに土方歳三の胸像を建立。7月16日の「新選組隊士等慰霊供養祭」にあわせて公開されました。

「新選組結成160年&世界遺産」をテーマにした「第48回 京の夏の旅 文化財特別公開」は、2023年9月30日(土)まで開催。通常は非公開の新徳寺も公開されており、清河八郎が演説を行った本堂も見学できます。
2023年の夏は新選組が熱い!

投稿者プロフィール

kumasaki
kumasaki
大阪で生まれ育ち、SEやDTPデザイナー・オペレーターを経て、京都の某情報誌でいつのまにか編集・ライターになってました。読書と酒と犬をこよなく愛し、面白そうなことに首を突っ込みます。

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