京都・二条のライブハウス「若手育成をめざす音楽の拠点」

「二条、なんかこの辺、良くない?くらいな感じ」

JP二条駅のすぐ裏、大型スーパー後ろの住宅街にある、創業11年目のライブハウス「GROWLY(グローリー)」。元バンドマンでだいたいの京都のライブハウスには行ったことがあると語る、店長の安齋さんは、とっつきにくいイメージのある音楽界隈でも“いい人”で有名。旗揚げから関わっている。

二条の裏路地にあるグローリー

「ここいい感じやんって勢いで動いたんで、あとあと、ご近所付き合いって大変なんやって思ったんです。紆余屈折、めちゃくちゃあったんで。まあ、たぶん社長もそうですけど、京都の音楽シーンのなかでも、とくに若手を担うことに、僕らは何かしらの使命感みたいなもんがあるかなって。」

練習からのライブ公演、なんなら飯も!複合型の京都のライブハウス

ライブハウスの作りは1階がライブハウスで2階はスタジオみたいですね。

「いわゆる音楽カルチャーの複合施設みたいに、学生たちが、楽器の練習して、ついでにライブハウスで演奏して、好きなことでつながる。まちスタジオ的な感じって良くないですか?西院とか大宮には、めちゃくちゃありますよ。

練習して、ライブやって、飯も食える。ここはライブハウス経営以外にも、飲食店も何店舗か持っているという。コロナ禍で、スペース運営は簡単じゃなかったと思うんですが。

「この取材の前も、PV撮影で場所を貸してたり、音楽以外では、スタッフの推しイベントとかも企画してやってます。僕らは一般の方とはちょっと違って、好きな人とかに会いにきたり、用意されたものに参加する側じゃなくて、仕掛ける側なので、<バンドマン目線>を大事にしてるかな。こっちからおもしろいモノを発信して、来た人同士の密度を深めていく、アーティスト目線。どちらかというとそっちって感じですかね。」

3階は多目的空間に!

音楽のベンチャー企業みたいな子たちが集まる

同じ京都のライブハウスのなかでも、経営スタイルに違いがある。いい意味でも悪い意味でも、商売っ気のある他のライブハウスのやり方とは、一線を画すとか。

「ショーケースみたいに、有名なバンドに使ってもらって、お客さんにいっぱい来てもらう、ということに力を入れず、若い人が “ここから始めて、世に出るぞ”みたいなのを狙ってるかな。全国的にも、うちらみたいなライブハウスが圧倒的に多いと思いますけど、そのなかでも、僕らは音楽のベンチャー企業みたな子たちを集めてる感じかな。」

若者育成に積極的なグローリー。若手アーティストリハーサル風景

音楽という軸で新旧の融合

二条という庶民的な街並みの延長上にあるが「ライブハウス」と「まちの在り方」で期待できそうな場所でもありますよね。

「もっと開けていってもいい場所なんですけどね。一つ提案するなら、いつの時代も、若者たちってお金がないから、そこに、昭和世代の人たちの音楽の関わり方を引き込こだらどうかなって。まちの60〜70代の人たち高校生が一緒にバンドやれるようにするとか。そうゆう音楽の軸を使って、みんなを巻き込んでいけたらいいなって

アイデアが斬新でおもしろいですね。だいたい、今の30〜40代とかが現場にいるのがライブハウスの現状ですよね。

「まあ、僕が今43歳ですけど、クッションというか、橋渡しみたいになってる感じはあるかな。若い子たちは、移り気の塊。先輩世代は、頑固っていう。ライブハウスがハブになってやらないと。」

ハッシュタグ#京都ライブハウス の未来

今後、デジタル音楽の市場をふまえたライブハウスの挑戦は何ですか?

「みなさん、サブスクってわかります? 最近は音楽でもツールが増えてきて、アーティストとかおもしろいことやる人のことを、“見つけてもらえる時代”になったんです。もし、TikTokとかで、高校生大学生にライブハウスってこうやって遊べるぞって浸透させられたら、そこから成長して3040代と年を重ねても気軽にライブハウス来れるようになるじゃないかな。」

意外にも「#京都ライブハウス」と、SNSをタグってみても、まとまったよい情報は出てこない。TikTokやショート動画を使った、本格的なSNS戦略をライブハウスがやりだしたら、もっと若者アピールができるかもしれない。

音楽やライブハウスなんて、生涯、縁がない。聞きたい人の音楽も、簡単に家でダウンロードできる時代になったし、無料のYoutubeだけで視聴すればいいのかもしれない。

でも、ライブ感っていう毎日の若い絶大なエネルギーを、そこの場所に行けば感じられるかもしれない。40からはじめるバンド練習の日々。京都の音楽の拠点巡りは、ここ二条から始まる。

【GROWLY】 京都のライブハウス。キャパは200人前後。 JR二条駅徒歩5分 / 地下鉄二条駅徒歩2分 / 駐輪場あり / 目の前のコインパーキング激安。

名称 GROWLY(グローリー)
住所 京都市 中京区 西ノ京星池町 西ノ京星池町214
業種 京都のライブハウス・スタジオ(オールジャンル)
営業時間 14:00〜24:00
電話番号 075-366-6369
Eメール  kps@growly.net
SNS ライブハウス  https://twitter.com/Kyoto_GROWLY
スタジオ https://twitter.com/Antonio_Kyoto
ウェブサイト 公式 http://growly.net/

投稿者プロフィール

てんちょー
てんちょー
カナダに移住するはずだった、Uターン娘。地元ならではのワクワクを探しつづける日々。洗濯物は、毎日コインランドリー派。場の空気を読むのが下手で、家事が嫌いなのが弱点。
40歳からバンドを始めた喫茶店オーナーです。

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