愛され続ける「まちのアート工房」

街のアート画材屋さん

暮らしを彩るモノって、ありますか?家の隅に緑を置いたり、好きな雑貨や家具に囲まれて暮らしを豊かにしたり。京都市右京区の西院エリア、イオンモール五条の近くに、小さなアート工房はあります。クラフトワークスKYOTOが提案する、絵の具を使ったアート活動でオリジナルグッズ作りはとっても愛に溢れています。

オリジナル布専用絵の具「くらカラー」を使って、毎日の生活を「ちょっと楽しく」する、お手伝い!「京都」の地で、人とのつながりを感じながら「手描き工房」を続けていく意味があるといいます。2021年9月に10周年を迎えた「クラフトワークスKYOTO」。みんなの「マイデザイン」を見守る、街のアート発信所をご紹介します。

10周年を迎えたアート工房

職人気質スタッフと共に個人商店を旗揚げ

東日本大震災の年の8月31日。代表の片寄さんは、それまで友人と17年間共同経営していた会社を閉鎖し、翌日9月1日に現在の同じスタッフと一緒に「クラフトワークスKyoto」をスタートさせました。

経営としては、山あり谷あり。「来月の家賃と給料どう工面する⁈」と言う局面も何度もあったそうです。それでも続けて来られたのはスタッフ全員の「やっぱりすごく手描きの仕事が好き!」という気持ちのおかげ。

スタッフ同士が、午前中ずっと「おはようございます」の挨拶しかして無い⁈と言う事もある位で、工房では黙々と手を動かす作業や、柄や配色の考案に集中していたり、注文の発送の準備など、それぞれの担当分野の仕事をこなしています。

志を一緒にする仲間たちと

プロフェッショナルな雰囲気の漂う工房ですが、仕事では意見が食い違い熱い話し合いもたまにあったり、馬鹿らしい事で笑い合うこともあります。静かな職人気質の集まり「クラフトワークスKYOTO」さん。制作や加工の醍醐味は、失敗出来ない緊張感や完成後の開放感にあるといいます。

毎朝仕事に行くのが楽しくて仕方ない♪  好きな仕事で日々の生活が出来ている私たちって 幸せやなぁ!ありがたいよねぇ!」

クラフトワークスKYOTO代表 片寄恵美子さん

個人商店の旗揚げから10周年を迎えた今も、更なる新分野に挑戦し続けています。

洗濯しても色落ちしない魔法の絵の具

クラフトワークスKYOTOさんは、洗濯しても色落ちしない、塗った後も生地がやわらかい、布専用のアクリル絵の具を販売されています。例えば、白い生地に適した透明水彩絵の具〈白地用〉や黒い生地にもぬれる不透明水彩絵の具〈黒地用〉、メタリックな光沢ある金銀パールカラーなど、カラーはなんともバラエティー豊か!

使用後の絵の具も、水洗いできる水溶性タイプなので、混色や水で薄めることも可能です。グラデーションやぼかしなどプロのテクニックも楽しめる画材なので、遊び心あふれる作家さんをはじめとして、オリジナリティを楽しむ子どもたちまで幅広い人々から「魔法の絵の具」は必要とされているのです。初めての人もトライしやすいように、「らくがキット」として販売もしているので、学生さんたちのアイデアが光るTシャツ作りも多いです。

無駄をなくす独自の販売スタイルを確立

絵の具といえど、存期間が長くなると分離されてしまい、本来の「塗りやすさ」が損なわれるそう。よく聞くのは、画材や雑貨屋さんで取り扱いの絵の具では、長い間、売れていないと固まっていることもしばしば。クラフトワークスさんの場合、買われるかどうかもわからない場所で、商品を並べ無駄に売れ残りができてしまう状況は好ましくないと考えているようです。

できるだけ必要な分だけを製造し販売することに重点を置きながら、ごみ削減で環境にもやさしい取り組みを目指して「限られた資源・ムダのない製造」を心がけることに気をつけています。注文後に、スタッフが直接、出荷前の品質を確認して販売するスタイルを徹底しています。

子供の夏休みの宿題にも!広がる制作の輪

オリジナルの布専用のアクリル絵の具「くらカラー」は、子供たちのエコバックや、手描きTシャツなど、ハンドメイドクラフト制作へ繋がっています。チャリティーにも意欲的で、東日本大震災の被災地、岩手県大槌にある「こども夢ハウスおおつち」の子どもたちとの関わりも大切になさっています。

京都府南丹市での保養キャンプの「ゴーゴーワクワクキャンプ」では、Tシャツ・手ぬぐい・バッグ等のイベント制作に携わったり、どんどん、外へと出掛けていく画材屋さん。お客様の制作例や、商品の紹介、イベント参加の紹介などを定期的にhttps://ameblo.jp/craftworkskyoto/ ブログで発信もなさっています。京都でアートでコミュニティが形成されていく現場に「クラフトワークスKYOTO」の姿あり! 

B toBからB toCの世界へ挑戦

必要な分だけ作るオリジナルブランド「H I B I G I 日 々 着」

西院でカラーのTシャツ画材を扱っっていらっしゃるお店の中で、ダントツの信頼を受けている代表の片寄さん。オリジナル布用の絵の具「くらカラー」のネット販売をはじめとして、最近、立ち上げたオリジナル手描きTシャツ「HIBIGI・日々着」ブランドを立ち上げ、まさに、B toBからB toCへと活動の幅を広げていらっしゃいます。「廃棄ゼロ」で、無駄のないモノづくりを追求し、大量同一のプリントシャツから脱却「自分らしい」服を目指している「クラフトワークスKYOTO」の精神性に、共感するアーティストさんが多いのです。

代表 片寄恵美子さんの世界観


オリジナル手描きTシャツ「HIBIGI日々着」の新アイテムとして今企画しているものがあります。「京都で全部の工程を完了させる」つまり、「京都謹製のシャツ」の制作です。この業界でやっているといかにクオリティの高いものが安いルートで作れるか?と模索して動くわけですが、優先順位の一番に考えたのは、京都の繋がりの中でものを作って行きたい!と言うことでした。

今はラインやスカイプで海外とでも企画のやり取りができる時代にはなりましたが、意外と知らないご近所の凄い人っていると思いませんか?

まずは近くの人たちとのコミュニティが元気で楽しいと、そこからまたひとと人との輪が広がり、おもしろいケミストリーが起こったりしますよね。必要な情報や条件だけで選択するのではなく、ひとと人との信頼関係で繋がっていく、モノ作り。なんか有機的で良いな、と感じるこの頃です。

作家さんからも、子どもたちからも、愛され続ける「アート工房」としてあり続けること。出会いや縁に感謝の心を持ちながら、事業運営されている姿に、エールを送っているファンも多いです。オリジナル制作の機会があれば、「クラフトワークスKYOTO」の存在を思い出してくださいね。

アート工房 クラフトワークスKyoto

住所  〒615-0034
京都府京都市右京区西院西寿町12松原マンション1F

電話番号 075-311-1488 

施設情報 画材キットのインターネット販売/布・皮製品のプリント加工業

ホームページ http://www.craftworkskyoto.com

投稿者プロフィール

てんちょー
てんちょー
カナダに移住するはずだった、Uターン娘。地元ならではのワクワクを探しつづける日々。洗濯物は、毎日コインランドリー派。場の空気を読むのが下手で、家事が嫌いなのが弱点。
40歳からバンドを始めた喫茶店オーナーです。