アートを感じる中京散歩
町家空間・堺町画廊での催し「琉球の正月準備」を訪ねてみた!
町家の風情を残す京都・中京区にある堺町画廊。
そこで開催された催し「琉球の正月準備」を訪ねました。琉球漆器を中心にした展示との案内に、どんな工芸品なのだろうと興味津々。初めて聞いた琉球漆器を実際に見てみたくなり、堺町画廊へと足を運んで来ました。
堺町画廊は、明治の初年頃呉服屋として建てられた建物の風情を生かし、現在は古くから残る台所をギャラリーとして活用、様々な企画を開催されている趣のある画廊です。
美術品の漆器や陶器の美しさ
昔からの人々の暮らしを想像させる優しい空間は、今回の日用の美術品である漆器や陶器の展示にぴったり。ギャラリーを包む柔らかい自然の光に、磨き抜かれた漆器の輝きが美しく感じられました。
琉球漆器ややちむんの器(沖縄の陶器)でお正月を迎えようというのがテーマですが、沖縄ではご先祖様と共に過ごす文化が現在でも大変大事にされており、各家で行われる様々な祀りごとや年中行事に不可欠なのが、器だそう。行事ごとに特別な器として漆器が使用されるため、特にこの琉球漆器はどこの家でも欠かせないとか。
古くは琉球王朝の頃に、中国より漆工技法が伝えられたことが始まりとされる沖縄の伝統工芸品であり、素材には、デイゴやガジュマルなど沖縄独特の植物も使われるそう。
沖縄の植物を、丈夫で美しい漆器として暮らしの中で楽しめるのも魅力ですね。「沖縄の方々は自分たちの住んでいる沖縄という島に対して非常に愛情を持って暮らしています。」
沖縄と京都の食文化をつなぐ
沖縄と京都の食文化をつなぐ活動をしている「七月金魚」の英子さん。
新しい文化や情報がどんどん刷新される現代で、とかく自分たちの住む町、土地のアイデンティティを軽くしてしまいがちですが、沖縄の人は小さい頃から教育や体験を通じて、老いも若きも沖縄への誇りと愛情をとても深く感じているそう。
日々の暮らしの中で感じる生まれた土地への愛情は、今回の漆器だけではなく沖縄の陶器・やちむん、伝統技法を守る染めの文化の紅型など、様々な様式の郷土品で表現されています。
今回は他の展示場では出品されないような高品質で美しい作品の数々が出展されており、古い台所の風情の中でみる朱塗りの器は、ハレの時間を感じさせる特別感がありました。
また、「ぜひ味覚でも沖縄を感じて欲しい」との強い思いから、「うちなーおでん」や「ウチナーすば」、「カーサームーチー」などを、英子さん自らが調理して提供。 外の寒さを忘れさせる温かいご馳走は大人気で、あっという間に売り切れていました。安心安全なオーガニック食材で沖縄と京都の文化や食をつなぐ活動を行う「七月金魚」の英子さん。
彼女は一方で、沖縄伝統の染物である紅型の製作もご自身でされています。紅型という伝統技法を学ぶにつれ、その背景にある文化の奥深さを日々感じるそう。そんな英子さんの想いが詰まった空間からは、沖縄をもっと知ってみたいという気持ちが湧いてきました。
今回の催しは終了しましたが、沖縄を愛し、伝えていく企画を今後も続けて開催していきたいとのことでした。来年も沖縄の想いに触れるひと時を楽しみに、堺町画廊へと足を運んでみようと思います。
堺町画廊 堺町画廊は町家の古い台所をいかしたギャラリー 通り庭の奥、三和土と錆び壁の落ち着いた空間が残る素敵な画廊。 〒604-8106 京都市中京区堺町通御池下ル phone+fax:075-213-3636 ホームページ https://sakaimachi-garow.com/blog/ 七月金魚@琉球 代表コーディネーター 英子さん instagram https://www.instagram.com/hichigatsu_kingyo/ |
投稿者プロフィール
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絵描きのがまです。
インテリアアートから、日常の小物・ストールやbagなど、なんにでも絵を描いてます。日々の暮らしを彩る絵描きとして、活動中。
音楽も好きで、トロンボーンもたまに練習しています。
美味しいもの、素敵な音、綺麗な色、愉しい仲間。
好きなものに囲まれて、好奇心いっぱいの人生を謳歌したいと日々アンテナ広げています!
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