GWの京都でアートをもっと身近に| アート初心者のまま【KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)2024】を楽しもう

アートや現代美術と聞くと、「理解するのが難しそう」「高尚な気がして…」と敬遠してしまうことはありませんか?アートの知識がない自分が「見当はずれのことを言ったら恥ずかしい」「見方が違っていたら嫌だな…」と思う方もいるかもしれません。

そのような方は、安心してください。アートは今のあなたのままで、今の知識や感性のままで充分楽しむことができます。

もちろんアートの歴史や背景を知ると、作品を深く理解することに繋がるのは事実です。わたし自身、色々なアート作品を見て「なんか好きだなあ」と思うところから始まり、「どんな作家さんなのかな?」と調べるうちにアートについての知識が少しずつ増えていきました。

音楽や漫画を楽しむようにアートを楽しむ

あなたにも好きなミュージシャンや漫画家、小説家がいるかと思います。いい曲だなあ、面白い話だなあと感じた時ときに、「他の作品はどんなのがあるのかな?」「どんな思いで作ったのかな?」と作品や作家について調べた経験はありませんか?

アートも同じ感覚で捉えてみてください。好きなものから自由に楽しんで大丈夫です。そのためにまずは色々な作品に触れて「この感じ好きだな」を増やしてみませんか?アートがわからないと感じるのは、好きなアート作品に出会えてないだけかもしれません。

ちょうど現在(2024年4月13日〜5月12日まで)、KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)という国際的なアートイベントが京都で開催されており、100以上の展覧会を京都市内で見ることができます。多くのアート作品に触れる絶好のチャンスです!

KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)とは?

KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)とは、毎年春に京都で開催される、写真をベースにした国際的な芸術フェスティバルです。世界で注目されているアーティストを始め、アマチュアやプロの写真家の作品を京都市内で一気に見ることができます。

京都市内の歴史的な建造物(二条城や誉田屋源兵衛など)やギャラリー、ビルの一室やカフェなど幅広い場所で開催されています。桜の散る季節~ゴールデンウイークのあたりに京都の街中を歩いていると、黄色や赤の旗(のろし)を見たことがあるかもしれません。それが、KYOTOGRAPHIEの展示場所です。

KYOTOGRAPHIE2024のテーマは起源を意味する「SOURCE」

KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)では、毎年テーマが設定されています。2024年のテーマは「SOURCE(ソース)」。「SOURCE」をテーマに生命、コミュニティ、先住民族、格差社会、地球温暖化など多様な視点による作品が展示されています。
「うーん…なんか難しそう」と思った方もいるかもしれません。でも大丈夫です。テーマはあくまでも作品を理解するための要素のひとつです。実際に作品を見て、感じることや思い出すことがあるはずです。普段意識が及ばないことに思いを馳せられるのも、アートの魅力のひとつです。ぜひKYOTOGRAPHIEに足を運び、作品に触れてSOURCE」を感じてみてください。

感性や知識なしにアートを楽しむ方法

とは言っても、「どうやってアート作品を見たらいいの?」と気が引けてしまう方もいるのではないでしょうか。「わたしには感性がないから」「アートの知識がないから」と思いアートに触れないのは、とてももったいないです。
実は、アートは感性や知識がなくても楽しむことができます。その方法をお伝えしますね。

STEP1. まずは作品を見る

ただ作品を見てください。何かを感じよう、何かをうまく言おうとしなくて大丈夫です。何も思わないこともあります。近くで見たり、遠くで見たり、横から見たりするのも感覚が変わるのでおすすめです。

STEP2. 説明文を読む

「なぜこれを作ったのか」「作品を作った経緯」という作家による説明文がほとんどの作品にあります。その説明文を読んでみましょう。内容が理解できなくても大丈夫です。

STEP3. もう一度作品を見る

作品の意図を頭の片隅に入れた上で、もう一度作品を見ます。最初に見たときよりも、じっくり時間をかけることをおすすめします。じーっと見ているとフッと思いつくことや、感じることがあるかもしれません。「こういうことかな?」と自分で推測するのも自由にどうぞ。何を思うのもあなたの自由です。正解も不正解もありません。

STEP4. 感じたことを棚卸しする

作品を見て感じたことを掘り下げます。例えば「綺麗」「何か好き」「嫌な感じがする」このような簡単なもので大丈夫です。その思いに対し「どこが好きなのかな?」「何と比較してそう思う?」「何を思い出している?」など自分に質問してみてください。誰かと一緒に話をするのも新しい視点が生まれやすいのでおすすめです。

わからない、何も思わないこともあります。それもOKです。理解できない自分を責めずに他の作品を見てみましょう。

二条城で唯一無二の美しさに出会う

わたしもKYOTOGRAPHIEに行ってきました!その中で二条城の展示が良かったのでご紹介しますね。

「これは花?」「虫にも見えるような…」という美しさの中にどこか不気味さがある形。何だと思いますか?実はこれ「種子」です。タイトルは「種子は語る」。自然と人間の繋がりをテーマに制作をしているフランスの写真家・ティエリー・アルドゥアの作品です。

わたしは作品を見て、種子と人間の根源的な美しさについて考えました。展示されている種子は、自然が生み出し自然に適応する中で形を変えてきたものなんです。誰かが作った形ではない。だからこそ唯一無二の魅力があるのではないか?と。

知らず知らずのうちに誰かの真似になっていたり、他人の考えを自分のものだと思ってしまったりと、他人の影響を受けやすい時代だと思います。その中で、独自の道を進んでいる人は魅力的。そういう唯一無二の美しさは、実は誰の中にもあるのではないかと。もっと自分を研ぎ澄ませていこうかな?と前向きな気持ちになりました。

これはわたしの感じたことなので、正解でも不正解でもありません。実際に二条城に足を運び、「種子」の世界を体験してみてくださいね。二条城 二の丸御殿 台所・御清所の静謐な空間も素晴らしかったです。

また、写真を見るだけではなく、展示の空間に身を置くことができたり、覗き込んで写真を見たりと、アートを見る習慣がない方でも楽しめる内容になっていますよ。わからないことがあれば、会場にいるKYOTOGRAPHIEスタッフに質問もできます。気負わずにアートを楽しんできてくださいね。

Information–
KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)2024

日程:2024年4月13日(土)~5月12日(日)

場所:二条城 二の丸御殿 台所・御清所、京都市京セラ美術館、京都新聞ビル地下1階(印刷工場跡)などその他京都市内各所

ホームページ:https://www.kyotographie.jp/

投稿者プロフィール

フジヤス ナナ
フジヤス ナナ
アートとインドが好きなライター&ヨガ講師。過去に写真作家として活動、インドに行った回数は5回以上。兵庫で生まれ育った後、京都へ。ほぼ毎日二条・大宮・西院エリアを散歩(1万歩歩きます!)し、面白いお店や人に出会うのがライフワーク。

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